キャッチボールが変えた運命

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  兎に角、こいつを黙らせるのが先決だと感じた。 あの性格だ、一度や二度釘を刺した位ではへこたれないだろう。 俺には目標がある。 医者に成ると云う確固たる目標が。 毎日々々、其れこそ俺が入部を決めるまで“あれ”が続くとしたら? いや、例え決めたとしても飯島の中では既に次のプロセスが着々と積み上げられている。 既に俺の立場は【後手】にあると言って良い。 ん、待てよ… そもそも、飯島の目標は何だ? “野球好き”にしても、他の連中とは比べ物にならない【熱】がある。 (まさかとは思うが……) もし… あいつの【夢】が、そうだとしたら。 ……。 ……。 …待て。 何故【俺が】悩んでるんだ。 (止めてくれ。) 【迷ってる】のか? …何に? (……飯島……) 気付けば考えている。 【飯島の事ばかり】だ。 (気にしていたのは  …俺の方…か) 俺は其の後、 あいつが去った扉を暫く眺めてみた。 (…やっぱりお前、怖いよ。)  
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