キャッチボールが変えた運命

4/9
前へ
/134ページ
次へ
  一ヶ月が経った。 一限目、二限目と 今日も授業は難無く進んでいく。 俺の思考とは真逆に。 今度はずっと、窓の外を見ていた。 他所のクラスが野球をしている。 授業だと言うのにルールは大雑把にしか告げられない。 が、何故か皆、出来てしまう。 そんな【手頃な】スポーツ… 俺にはとても、其処を主軸に進む人生なんて考えられなかった。 (何で【野球】なんだ?飯島。) …と こうしてまた、俺は飯島について思考を巡らせる羽目になる。 (……駄目だな……。) 自分が判らなくなる。 何だ此の現象は。 永く彼を避けて来た可逆反応だろうか。 其れとも元々、【知りたいと思っていたのだろうか】。 (…或いは、) 気の迷い。 本当は此処に結論を置きたかった。 毎日会ってるから、 嫌でも会わなければならないから、 望んでいない筈の 【楽な方向】に 逃げようとしているだけだ・と。  
/134ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加