生まれたての赤子のように

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  実際にうちの医院は此の一件で評判を大きく落とされ その先に約束されていた研究資金の話が白紙に戻ってしまったと聞いている。 記憶を喪失した要因として うちの手術(オペ)の在り方を批難されたとも聞いた。 当時の俺は其れが悔しくて仕方が無かった。 がむしゃらに勉強して、手術に因る記憶喪失が起こり得るものなのか、いや、そんな筈は無いと……結局は資金を【出し惜しんでいた】学会に証明してやりたかった。 将来は何が何でも、医者を継ぐ。 継いであの馬鹿な学会の連中に一泡吹かせてやる!と… …馬鹿は、俺の方なのかも知れないな。 そんな俺が進学を決めたのは、エスカレート式で大学まで行ける事と勉学の充実を謳い文句に新設された【エブリスタ学園】だ。 医学部には例の学会も関わっているそうで、【敵】を知るにも申し分の無い環境に感じた。  
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