第一章 あの日の誓い

2/2
前へ
/2ページ
次へ
そろそろ日が暮れるのも早く感じてきた。 時計を見ると18時22分 カーテンからは全く光を感じることもなくすっと目が覚めた。 煙草を咥え煙と共にため息付いた。 今日は6月15日。 あれから凄い年月と時間が過ぎた。 だが全く変わらないことが最悪の眠りと嫌な目覚めである。 今日は最後の出勤のアルバイトに行かなければならない。 短期バイトと変わらない雑さだがコンビニのバイトには一つの利点がある。 何を隠そう毎日が排気祭りであるからだ。 食費には一切お金がかかってはいないのだ。 おっと、貴重な時間を無駄にした。 煙草の煙を消し急いでシャワーに入り準備に取り掛かった。 そんな時だが棚からある物が落ちてきた。 「なんだこれ保険証か?」 いつ撮ったのか定かではない証明写真も一緒に出てきた。 その写真に写っていた自分は生きた屍のような面をしていて写真からは一切感情が伝わらない。 そんな思い出も想い出せば思い出すほど悲しさと孤独さが浮き上がってくる。 今でも胸が引きちぎれそうになる。 ここで一つ、ある事を思い出した。 「明寿?そうかやっと思い出せた。」 明寿。これが俺の本名なのだ。 そんな自分を鼻で笑いコンビニへ急ぎ家を後にした。 そしてコンビニへ着き服を着替え準備をしていると 「ねぇー!最後の出勤なのに遅刻?何考えてるの航くんは。」 可愛い先輩がそう呼んだ。 そう。これが俺の今の名前なのだ。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加