凪の海

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「葉月おはよ~!!  って、今日も海也と一緒じゃん!  …最近ずっと一緒ってことは進展してはるの?」 「おはよう、稲美!  …海也とはたまたま途中で会っただけだよ…そう簡単に上手く行くはずがないって……。」 私の友達、稲美が声をかけてきた。 関西圏の出身で関西弁を話す。(エセやけどな) 稲美がなにを言いたいのかは知ってる。 私は、海也のことが好きなんだ。 昔から、海也は注目の的だった。 陸上記録会や水泳記録会では、出場種目で全部優勝。 読書感想文では、県で最優秀。 中学は県内の私立名門に合格し、3年間ずっと首席。 でも、高校は地元に帰ってきた。 容姿端麗、性格良し。こんなやつ女子がほっとく訳がないよね。 まあ私にとって彼はそれだけの存在じゃないんだけどね…。 「やっぱ格好いいわ海也。うちじゃあきまへんな~。 やっぱ葉月っしょ、こんな可愛いやつほっとくなんてありえへんもん!」 「も~辞めて! 私そんなに可愛くないって…。」 正直言って、稲美の方が可愛いと思う。(エセ)関西弁はともかく、明るく活発でクラスの中心人物だ。 (私も稲美くらいだったらいいんだけど…。) ふぅっとため息をつく。 最近はずっとそう考えている。
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