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飼っている者も又・・・
「バカ。何をやっている」
高峰研究所、所長の怒号が部屋中に響き渡った。
「すいません。蠅が飛んでいたものですから」
研究員の1人が慌てて殺虫スプレーを止めた。
「中のナノ人間が全滅したらどうするんだ」
高峰研究所。
そこは表向きは微生物研究施設であったが
実際には軍事目的で作られた施設だった。
まず約10m四方に囲まれた箱の中で
遺伝子操作で作られた、自分たちより1/100程小さい人間を
普通に生活させる。
我々並みの頭脳が備わるまで彼等を育て
十分に知性が備わったところで
彼等に更に小さなナノロボットを作らせる。
ロボットは世界最小の微生物よりも更に小さく作成させる。
それは誰にも気付かれることなく
仮想敵国の主席の脳に入り込み
遠隔操作でその者を操る事が出来るようになるという代物
現代科学で出来うる最小のナノロボット。
その更に上を行くことで、決して発覚する事のない機械ウイルス。
この研究所の真の目的はそこだった。
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