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「ホラ、さっさと食えよ。俺がおまえくらいのときには一人で五人前くらい食ってたぞ」 「いや、食うけどさ・・・・圭輔さん全然食ってなくない?」  食ってはいるんだろうけど、明らかにガツガツ食ってるのは俺。  まあ、飲んでるときにあんまり食わない人間ってのはいるから、もしかしたら圭輔もそーゆー類なのかもしれないけど。  皿に入れられた肉を食っていると、こちらを見ている圭輔と眼があった。 「なに?」 「もう少しで食べ頃かな」 「へ?これまだ生だった?」  慌てていままさに口に入れようとしていた肉をマジマジと見つめてみる。  いや、もう充分焼けてるよな。  むしろ焼きすぎたくらいの色。  焼けてるけど、と顔を上げた先に、またしても圭輔の視線。  おもわず首を傾げてみると、にこりと微笑まれた。 「しっかり食ってちゃんと育てよ?」 「は・・・・?」  いま食われようとしている肉に対してしっかり育てはないだろう、と突っ込みかけて、ハッとした。  圭輔の視線の先にあるのは肉ではないらしい。  つーか・・・・・・・・俺?  ギクッとした瞬間、またしても曲者の笑顔。 「三ヶ月後がたのしみだな」  男前の顔に極上の笑顔を乗せて、圭輔の本日最大の問題発言。  箸でつまんだままだった肉が、ポトリとテーブルに落ちたのも気づかず、俺は完璧にフリーズしていた。
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