イケメンに介抱された!?

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シーンとした白い壁に囲まれたテーブルからひたすら音が響く。 シュッシュッ! パラパラ! トントン! 「みんな急げ間に合ってないぞ。」 無精髭の男が叫び音が早くなる。 「だから加藤さんがさ………」 後ろの巨体の女性二人がボソボソ声ではなしている。 「田中さん、木野さん、検品入って。」 「はーい。」 音にピッピッという音が入る。 あっミスためんどくさ。 真由は顔をしかめながら仕上げた紙の束を確認する。 封筒にパンフレットやらを閉じて宛先シールを貼る、この作業を毎日やる。 要領が悪くて睨まれる、こんな毎日いやだと思いながらつづけている自分が嫌になる。 「会田さん、君おそすぎ早くやってよこんなのうちの小4の息子でも出来るんだからさ。」 嫌みを言われいらっとするがおしこんで作業する。 「アハッ間違えた。」 田中の甲高い声だ無精髭は苦笑するだけだ。 やなやつ、私も問題あるけどこいつのいい方にも問題あるだろ。 お昼まであとちょっと………。 キーコーカーン! チャイムがなりみんな手をとめる。 「お昼です。」 小さなドアから人が吐き出される。 真由はいつも通り人気の少ない階段からロッカーに向かった。 オニギリ二個つめこんですぐに喫煙スペースのいつもの場所に腰をおろした。 タバコに火を着ける夏の暑さがしみる、中で愚痴だらけの会話にさらされるよりましだ。 ああくだらない、なんかこうひっくり返るような楽しいことないかな。
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