イケメンに介抱された!?

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「ああもうやだ。」 行きつけの呑屋で日本酒を呑む。 「マユマユ、他の仕事探したら?」 セイコママがタバコの煙をはきだしながら言う。 「探してるけど、面接おちまくり。」 世に言う普通のアルバイトをしようと面接受けてはいるがうまくいかない。 いい年こいてなんて言われなくてもわかっている。 「まぢむかつくあの山羊鬚やろう。」 ドンとコップを置く。 「まあまあ落ちついて。」 テレビでは芸能人のお宅訪問で豪邸が写し出されている。 「こんな暮し出来たらいいよね。残念ながらマユに言い寄るのは貧乏ばっかだけど。」 金持ちと出会いなんて期待できそうにないしな………職場のいけてないおじさんの顔が浮かびタメ息つく。 「アレー?花金なのに客一人?」 長い髪を後ろに束ねた男性が顔をだす。 「みんなどこにいっちまったんだかいないよ。」 男性は席につくとタバコをとりだした。 「ママ、ビール。」 耳もとでピアスが数個光っている。 はでな人だな……… 「はじめましてだ。俺はシゲよろしく。」 軽そうな人だな。 「よろしくです。」 それだけ言ってテレビに目を向ける。 「シゲ、やっぱりここにいた。」 金髪にグラサンの男性に思わずひかれる。 「見つかったか、まあいいや。んじゃお疲れ様!」 呑みすぎていい気持ちになった。 日本酒を調子にのって三杯のんだ。 そこで真由の記憶はなくなった。
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