ダーリンはブラウン管の中

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「いい加減にしてくれない?数も数えられないの?」 ヤバッまたミスした。 「会田さんもう数えなくていいから封入して。」 林があきれた顔で数え終わった束を渡す。 「すいません。」 マズイマズイ。 ピラピラ封筒にパンフレットを押し込んでいく。 「だめだ、会田さんこっちやって。間違えないでね。」 スキャナ渡される。 今日はちょび髭の嫌みもきにならない。 私の脳は昨日の幸せな出来ごとでいっぱい。 二日酔いから覚めた私を良哉さんは海にドライブに連れて行ってくれた。 江ノ島の天気は絶好調で海に浮かぶ富士山、それになんといってもイケメン………いけないいけない。 ピー! 「すっすいません。これどうしたらいいですか?」 悲鳴を上げたパソコンがどうにもならずパートさんにきくとちょび髭がとんできた。 「ハアーもう余計なことしないでね。」 「すいません。」 「謝らなくていいから。」 ちょび髭がタメ息つく、フンッ、不細工な山羊鬚………。 いつも通り時間のチャイムがなった。 満員の息苦しいロッカーから抜けて喫煙所で携帯を開く。 ンッ?待ち受け変わってるし、肩をくんでる私たら顔まっかだし。 ポロリとタバコを取り落とす。 キャー大変! ジーンズの上にはいたデブかくしのスカートにものの見事に穴があいた。
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