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「ああ、この本? これはお爺さんの部屋で見つけたんだよ」「なんだか難しい本なんだけど、僕にこの本を守れってメモがついていたからこうして持ち歩いているんだよ」
とアルマは本を大事そうに抱えて返事をした。そして
「そんなことよりゴローは数学の試験の赤点の追試があるんじゃなかったっけ?」
とメガネに手をかけながらゴローに言った。
するとすかさずリタは
「やーいやーい、赤点ゴロー」
と勝ち誇ったようにはやしたてる。
リタの方を向いたアルマはやれやれといった感じで
「リタ、君も英語のレポートがまだだったよね」
と言うと、ゴローがすかさず
「どうせまたアルマに助けてもらおうと思ってたんだろう」
リタ
「ふん、赤点野郎に言われたくないね」
とまたしても口喧嘩が始まった。
アルマは二人に取り合わず、ぼそっと
「お爺さんのメモには、この本に妖精が住んでいるって書いてあったんだよ」
と言った。
「っ!?」
二人の口論がピタッと止まった。ハッ!と気付いた時にはもう遅く、ダダダッッバン!「「妖精?」」。思い切り叩かれた机を『壊れてないといいな』と思いつつ、ため息を付きながら二人に
「相変わらずの地獄耳だね。いいよ、二人とも用事が済んだらいつもの場所に集合しよう。この本の事はそこで話すよ。」
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