一章 ユーアールエル

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一章 ユーアールエル

私は今、小説投稿サイトに載っている小説を読んでいた。とある目的を目指して剣と魔法を用いてバトルを繰り広げるファンタジーのようなストーリーらしい。 スマホの上の部分をスライスさせて時計の表記を見る。 「午後七時か……」 急にSNSの連絡が来た。私が所属している文学研究部という部活の部長からである。文学研究部と言っても名前の通り文学を研究するわけではない。小説を執筆するのが目的である。時には文化祭や文学フリマなどを利用して売り出すこともある。ただ、我々執筆する方法は変わらない。”乗り物”や”紙”といったように思い浮かんだテーマを部員たちから出し、最終的には一つのテーマを決めてそれぞれ部員がそのテーマに沿った作品を執筆し、一つの本にまとめるのである。部長とはあまり連絡は取らないが、何かのために一応連絡は交わしてる。そもそも大体のことはグループ化したSNSで済ましている。そんな中でSNSが来たのだ。 『こんばんは。天光さん。あなたに見てもらいたいユーアールエル?があるの』 その下にURLが表記されていた。 『危険なものじゃないんですか?』 私はウイルスの危険性という意味で送った。もちろん、部長のことは信頼しているつもりだった。 『大丈夫。私を信じて』 私はURLをクリックした。すると私の体に大きな衝撃を受けた。何が起きたのか、私には分からない。
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