第1章

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初めは黒いシミのようであったそれは、徐々に靄のように立ち上ぼり、黒々とした物体へと変化していったが、それがなんなのか琴音にはわからなかった。 琴音の家は大通り沿いの、ゴミ捨て場のすぐ横にある。砂利を敷き詰めたちょっとしたスペースがあり、そこにゴミを捨てるための収集箱が設置されていた。ゴミを捨てるには便利だったが、車の出入りが多くヒヤッとする場面もあった。更に危険なことに、道路を挟んだ琴音の向かい側の家では沢山の猫を飼っていた。
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