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「顔はまぁまぁ。スタイルはいい方。でもスーツがダサい!!俺の秘書ならもっと垢抜けた格好をしろ!」
最初からすべて上から目線!!!いくら副社長とはいえ、ビジネスの世界なんですけれど!!と思わず言葉がのど元までせりあがってくる。
っていうか副社長・・・あの日のことは覚えていないんですか?
そう訊きたい衝動にかられるが、きっとこいつにしてみれば、一夜を共にした数多くの女のひとりひとりの顔なんて覚えていないんだろう・・・・・
「菜水の友達なんだって?」
話が違う方に振れる。
「あ。はい。菜水とは高校時代からのし・・いえ友人です。」
親友と言おうと思ったが、あえて友人という言葉を使う。
「ふ~ん。俺の将来の奥さんのことこれからもよろしくね。」
というと満面の笑みを浮かべる。
でもその微笑みは、きっと本心ではない。
なぜかわからないが、そんな風に感じてしまった。
「じゃ早速行くか?」
というと副社長は、かけてあった英国調のスーツの上着を手に持つと私の手をとって福社長室の出入り口の方に向かった。
ちょっとちょっとちょっと!!
彼氏と別れて久しい来夏は、いきなり手をとられてドギマギとしてしまった。
さっきまであんなに心の中で悪態をついていた副社長だが、身長、体型、顔立ち
すべて私のドストライクだった。性格を除けば・・・・
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