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第8話 副社長って本当は!?
「私の前の秘書の五十嵐さんにもたくさんスーツとか買ってあげたんですか?会社の経費で?」
むかついた気分もありわざとイヤな言い方をした。
「あいつは俺の女なんだから俺が買ってやったに決まっているだろう?
公私混同はしない。
お前のスーツも、俺の役員手当から購入するだけで、別に経理には回さないよ。」
俺の女・・・・
その女を会社からあてがわれた部屋に連れ込んで・・・・
もういやだ!!住む世界が違う!考え方が違う!ついていけない・・・・
私のこともまさか、どうこうしようとか!!
いや、菜水の友達だと知っては手は出さないだろう。あの日のことはお互いわからず
(私に関しては記憶がないのだから)
不可抗力だ←苦しいいいわけ(汗)
「まぁ、元俺の女だがな。」
「元ってどういう意味ですか?」
「明日からの仕事内容見ていればわかるけど、忙しすぎて、神奈川に行った女の相手までしてられない。香里奈にはきちんとその辺も踏まえて話をして別れを告げた。
おやじはいつもそうだ。俺の気持ちなんて・・・」
副社長の顔に陰りが見えた。
「松本、お前は、きちんと秘書の仕事をしてくれればいい。もし使えない奴だとわかったらすぐに人事に話をして取り替えてもらう。菜水の頼みだとしても仕事に差し支えがあるからな。
お前は見た目で判断をしているかもしれないが、香里奈はああ見えてきちんと仕事ができた。俺のことも一番理解していてくれた。
それを・・・親父はいつもあぁなんだ。」
副社長は苦虫をつぶしたような表情をする。
もしかして、副社長って父親である社長のことよく思っていないの?
菜水との婚約のことも?
でもそんなこと、簡単に訊けるような雰囲気でもなかったし、そこまで立ち入られない大きな壁が、私と副社長との間にはあるような気がして、体温が下がっていくような気がした。
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