84人が本棚に入れています
本棚に追加
第11話 逃げ場がない
心臓バクバクで昨夜は全く眠れなかった。
とりあえず副社長に命令された通りふんわりとしたワンピースを着て出社した。
秘書課に立ち寄ると何か言われそうだったので、まっすぐに副社長室に向かう。
コンコンコン
ノックをして入るといつものスーツとはうって変わった開襟シャツとチノパンをはいた副社長が立っている。
「今から、恋人同士をえんじる。いいな。来夏。」
いきなり下の名前で呼ばれて顔に身体中の血が集まったのではないかと思うくらい真っ赤になってしまう!!!
「えーっと私はあなた何とお呼びすれば。」
「普通、恋人同士なら潤哉だろうな」
と言って真っ赤になった私の顔をニヤリとした顔で見つめる。
「来夏、そのワンピース似合っているな」
二歩、三歩と近づき、そっと頬にキスをする。
まっまってーーーー!
心の準備ができてない!!
そんなの御構い無しな副社長が私の手を取る。
「手を繋ぐのと、腕を組むのと、肩を抱くのどれがいい?来夏。」
もう心臓が口から飛び出そうだ。
「どっどれでもいいです。」
思わず真っ赤になりながら俯いてしまう。
「お前も可愛いところあるんだな」
壁際までどんどん押しやられて
両手を壁につく副社長の頬が近づく
もう逃げ場がないーーーーー!
最初のコメントを投稿しよう!