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第12話 優しいキス
副社長の端正な顔が少しずつ近づいてくる。
自然に目を瞑ってしまう。
菜水ごめん!!
心の中で親友に詫びる。
そっと唇が私の唇に重なり合う。
冷たいひんやりとした感覚。
もうこれだけで足がガタガタだ。
チュ
っと軽くキスをすると副社長は、右手を来夏の頭の上に置き
「続きはゆっくりとな」
と
妖艶に微笑む。
もう私は魔法にかかってしまった
小間使いのようだ。
でも
副社長といられるのなら
小間使いでも
使用人でもいい
できればもう少し長く
その唇に触れていたかった
永遠の片思いだとしても‥
「ほら行くぞ」
副社長の声に我に帰る
副社長の熱いまなざし
再び絡み合う
視線
気持ちを切り替えなきゃ!
と思い
両手で頬をパチンと叩いた
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