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第15話 夜景とワインと・・・
食事が終わると「部屋に戻るか」と副社長が言う。
これから・・・・あらぬ妄想で頭がおかしくなりそうだ
あの秘書のように私も愛人にされ・・・いや愛人ならまだいいけど
セフレにされて
弄ばれて捨てられて
そりゃそうだ婚約しているんだから
エレベーターは思ったよりも低層階で止まった
部屋に入ると広すぎることもなく、とはいっても狭すぎることもない
でも家具だけはとても立派な部屋だった。
「どうした?最上階のスイートルームでも期待していたか?」
「い・・・いえ・・でも」
「でもなんだ?」
「副社長が泊まるにはそのなんというか・・・・」
グラスにワインを注がれて渡される
「どうだ?窓からの景色は?」
確かに綺麗だ、でも先ほどのレストランに比べると庶民じみているというか
「ここのホテルはスイートルームは1部屋、VIPな客が泊まれるような
エグゼクティブルームは5部屋、その下のランクの部屋が5部屋
あとは大体がこの大きさだ。ファミリー向けのもう少し大きめな部屋ならいくつかあるけどな。大体の客は、このクラスの部屋に泊まる。
大きさは普通のレジャーホテルよりも少し大きめにできている。
あとは、調度品はイタリアからの輸入物だ。
もちろん、ワインもイタリア。今宵に乾杯」
カチリ
グラスのぶつかる音がする
そっか、私の頭の中は恥ずかしくて誰にも言えないような妄想で膨らんでいた負が、考えたら覆面調査。
普通の部屋に止まらなきゃ意味がない。
来夏・・・・
副社長が近づいてきて私のあごをクイとあげる
キスされる
と思った瞬間
冷たい液体が唇から喉へと流し込まれる
そして
舌をからめるようなキス
「今日はよくやった。今のはご褒美だ」
「ほら、先にバスルーム使え」
頭に一気に血が上る
バスルーム使ったあとは?
私たちは?
他人から口移しで飲まされたのに
嫌な気分はしなかった
私は副社長のことが好きなんだ
心の中で確信をした
悲しい確認だけど
***つづく***
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