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第16話 ふかふかなベッドと・・・
二人ともシャワーをあびて
手触りの良いバスローブに着替えた
もちろん来夏は下着はきちんと身に付けていた。
親友の婚約者と再びそんな関係になるわけにはいかない。
頭ではそうわかっている
でも心はチリリとうずいた。
「ベッドに横になってみろ。」
「は・・はい。」
言うことを聞くしかない。
横になったベッドは、ツインルームだからかセミダブルベッドだったが
ふかふかだった。
副社長が来夏に覆いかぶさってくる。
端正な顔立ちが目の前にある。
もう心も体もぐにゃぐにゃに蕩けそうだった。
すると副社長は軽く来夏の唇にKissをして、すぐに離れ自分のベッドに腰掛けた。
想像していたのと違ってほっとしたような、ちょっと悲しいような。
「まぁ良い感じだな。だけど、恋人同士ならまずは、ツインじゃなくて
ダブルを選ぶだろうし・・・・
なんか、来夏、気がついたことあるか?」
副社長が仕事の目になる。
私も頭の中でスイッチを切り替える。
「ベッドは少しふかふかですけど、まぁこれなら万人受けはすると思います。
でも以前から思っていたんですが、枕が・・
このふたつある枕の意味はわかっていますが、年齢によっては
枕の硬さにこだわる人もいるでしょうし、今やビジネスホテルでも枕を自由に選べることができるところもあるので、フロントで枕の貸し出しをしてはいかがでしょうか?」
「ふ・・・む そうだな。それは良い考えかもしれない。実は俺も蕎麦殻派なんだけどな。
やっぱりお前を連れてきて正解だ。
今日はゆっくり寝ろよ。」
というと副社長は来夏の頭をぽんぽんと二回かるく叩いた。
きゅん
こういう態度が女子にはダメなんだって。
あまりにも胸がドキドキしすぎて音が聞こえないように
そっと来夏は自分の胸の前で手を合わせた。
***つづく***
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