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第17話 そして迎えた朝
結局
朝まで眠れなかった
大好きな人が横のベッドで寝ている
それもスースーと気持ち良さそうな寝息をたてて
一度だけ
一度だけ
副社長の寝顔を見つめた
一粒の涙が頬を伝わってきた
好き
こんな気持ち初めてだ。
大学時代彼氏がいたときも
なんかみんなが彼氏がいたから付き合っていたようなもので
その後は、彼氏を作るのも面倒臭くなった
LINEの返事が遅いだなんだとか
付き合った途端我が物顔で束縛してくる男
男運が悪かったのかもしれない
なんて思ってしまうほどww
こんな綺麗な寝顔みたことがない。
いいよね、さっき副社長も私の頭ぽんぽんしたもんね
とひとりで呟き
柔らかな髪の毛にそっと触れた。
好きになってはならない人
そんな人に初めて恋をするなんて
恋がこんなにも苦しい物だなんて
知らなかった
そして何事もなく
朝を迎えた。
「おはよう来夏」
「お・・・おはようございます。」
副社長は来夏のベッドまで近づいてくると
爽やかな笑顔で言った。
モーニングを食べにいこう。
ゆっくりと立ち上がった来夏を副社長は
一度だけ軽くハグをした
それだけなのに
心臓が飛び出るかと思うほど
激しい動悸
と
胸がチクリ
と痛んだ
「あなたが好きです」
言えない言葉が
来夏の体の中をぐるぐると廻り始めた
出口のないラビリンスを
くるくるとまわるように・・・・・
***つづく***
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