第18話 提案

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第18話 提案

チェックアウトが終わると副社長が来夏に問いかけた 「どうだった?プチ旅行は。もう一度このホテルに着たくなるか? そしてこのロビーはどう思う?」 「ロビー?」 すごく広いロビーのところどころにソファーが置かれ ロビーの真ん中には何かの像があっただけだった 「なんか人を迎えているという雰囲気がないというか」 その時何かが来夏の頭の中で閃いた 「イタリアをモチーフにしたホテルであれば、ロビーの真ん中に本物の ヴェネツィアンゴンドラを置いたらどうでしょうか? そうしたら、その前で写真をとる人も増えるし、 もしかしたらインスタとかにあげる人も出てきて。 なんなら #ホテルの名前 でいいねが10個ついた人には 例えば次回の宿泊代の割引や、ここにあるショッピングショップの 値引き券を渡すとか そうしたら、話題にもなるし。 なんならこのショッピングショップにイタリアのお土産 例えばヴェネツィアングラスの専門店を置いたらどうでしょうか? そんなに高くない。あとはヴェネツィアンカーニバルの仮面の 小物とか。 イタリアのヴェネツィアに行った時すごくお土産可愛くて すごーくたくさん買ってきちゃって。」 来夏は何かに取り憑かれたように 溢れ出てくるアイディアを副社長に熱く語っていた 今までの来夏ではあり得なかった位 情熱的に そして 何かに取り憑かれたように 「いいアイディアだな。菜水の父親に輸入について相談してみよう」 ばっしゃーーん 冷や水をいきなり浴びせかけられたように 来夏の心が冷えてくる 菜水 そうだ 副社長は 菜水の婚約者なんだ 当たり前なんだけど その現実を目の前に突きつけられたようで 心が冷えてきた 莫迦だな私 何を必死になって訴えているんだろう 莫迦だな 私 ***つづく*** よろしければ、応援☆よろしくお願いいたします。
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