2001年8月14日

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窓を――割られる! 部屋の中に侵入される!! シルエットから目を離さないようにして、武器になるものはないか探す。 だが当然、そんな物があるわけもない。 (どうすれば……! どうすればッッ!!?) 混乱する自分。その時……何かが聞こえてきた。 ――カリッ……カリッ…… 一体何の音だ……? そう思ったのは一瞬で、すぐに事態を理解する。 渡邊さんは、部屋の窓を壊したりしなかった。その代わり―― 窓を……爪でひっかきはじめたのである…… カリカリ、カリカリと窓ガラスから音が鳴り響く。爪を噛む音といい……なんであんな小さな音が、こんなにも脳を掻き乱してくるのか…… 渡邊さんがその気になれば、こんな窓など簡単に破壊してしまえる。躊躇もしないだろう。 だが、彼女はあえてそれをしない。 まるで焦らすように―― 窓を開けてくれるのを待っているかのように――
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