2001年8月14日

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「……ただいま」 ドッと疲れが押し寄せてきて、ベッドに横たわる。その瞬間 ――ピン……ポーン…… …………深夜2時、である。 こんな時間に誰かが訪れる事など、あまりない。 心臓が一瞬にして早まる。 じわりと、掌から汗が噴き出す。 ……これも強迫観念だ。 悪いイメージをするのはやめろ。きっと相手はヤマさんか、ゆー君に決まっている。 腿を2、3回強く叩き立ちあがる。そしてゆっくりと……玄関に向かって歩き始める。 ……心配になったヤマさんが、泊まりにきたのかもしれない。 明日の予定を聞いたゆー君が、寝坊を心配してやってきたのかもしれない。 悪いイメージはするな……! 自分は通常だ……! 自分は通常だ……! 玄関前にたち、深呼吸を行う。だが何の落ち着きも与えてはくれない。 そっと手を扉に当て、覗き穴に顔を近づけていく――
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