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魚眼レンズの先は、真っ暗だった。おそらく外の電灯が消えているのだろう。
(気のせい……気のせいだったのか……? 別の部屋に来客が訪れたという事も……)
そんな事を思っていた時――急にパッと明かりがつく。
そこで目にしたものを見て……自分は思わず悲鳴をあげそうになってしまう――
――――渡邊さん……だった
俯き、表情は見えない! だがいつもと同じ格好をした渡邊さんが……玄関前に立っていた!
悲鳴をあげそうになるのを、口を押さえて必死に堪える!
すぐさま玄関の灯りを消し、足音をたてないように部屋へ移動!
(やッ……ヤマさんに、連絡をッ……!!)
自宅電話の線を繋ぎ、ヤマさんの携帯へと連絡を入れようとする! だが――
(――ダメだッ!! これ以上……これ以上友達を巻き込むような真似は……ッッ!!)
車の中でずっと思っていた事である。友達だから頼れば力になってくれるかもしれない、だが……
ヤマさんだって恐いに決まっているんだ。
自分が狙われているんだろう?! だったら……その自分が立ち向かわないでどうする?!
震える体を抱きしめながら、そんな事を考えていると――
……ピン、ポーン…………
再び呼び鈴を鳴らされた!
(とに、かく……ッ!……け……ッ……警察に! 警察に連絡をッッ!!)
慌てて自分は電話のボタン110をプッシュする! 2回目のコール音で、すぐに男性の声が聞こえてきた!
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