40人が本棚に入れています
本棚に追加
『――はい、××交番です』
繋がった事にホッとしつつ、慌てて内容を告げる自分。
「す、すいません! 急いで来てください! 女性が家に! 狙われていてッ!!」
『落ち着いてください、何があったんですか?』
こうしている間も、呼び鈴は聞こえていた。心臓を軽く叩き、警官に何というべきか考える。
普通に言っただけでは、恐らく動いてはくれないと感じた。ならば少し大袈裟に、嘘をついてでも――!
「は、刃物を持った女性に襲われています! 家に逃げ込んでいるんだけど、追いかけられてて! 助けて下さい!!」
真に迫った様子で話すので、警察も自分の言う事を信じた様子。『落ち着いてください、今いる住所を言えますか?』と聞いてくる。
自分が住所を言うと『分かりました、すぐに向かいますので待っていてください』と警察。
(よかった……! これでなんとか……!)
電話を切った後、自分はふと"ある事"に気付く。
…………呼び鈴の鳴る音が
聞こえなくなった……?
最初のコメントを投稿しよう!