40人が本棚に入れています
本棚に追加
もしかして自分の行動に気付き、逃げ出したのだろうか?
それとも、留守と知って帰ったのだろうか?
もし後者であれば好都合だ。自分が部屋にいる事を気付かれてはいけない!
そう思い、すぐに部屋の電気を消す!
このまま何事もなく終わってくれ……! そんな自分の願いは
簡単に、崩れ去る――!
玄関から自分の部屋までには短い廊下と1枚の扉がある。今はその扉を閉めているので、玄関の様子など窺い知れない。
だが自分は、すぐに何が起きたのか分かった。
――――カチャカチャ……ガチャリ――
鍵が……差し込まれる音……!
本来なら、そんな小さな音など気付かないかもしれない。だが今の自分は恐怖のせいで感覚が研ぎ澄まされているのだろう、そんな音すらも聞こえてしまう。
…………渡邊さんが
合鍵を使って、扉を開けたのだ……!
最初のコメントを投稿しよう!