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――――ガチャンッ
扉の開けられた音の後から聞こえて来たのは、無機質な音。
自分はすぐに、扉にチェーンロックをかけていた事を思い出す。
そうだ、それが繋がっている限り渡邊さんは玄関からやってくる事など出来ない！
――――ガシャンッ！ ガシャンッ！ ガシャンッ！ ガシャンッ！ ガシャンッ！ ガシャンッ！ ガシャンッ！！
何度も何度も……扉を乱暴に開け閉めしている音が聞こえる……！
扉の鎖が激しく鳴り響き、それと比例して自分の心臓も大きく脈動した。
そのせいからか、呼吸がしずらく胃中の物を吐き出しそうになる。必死に堪えながら、部屋の扉を背に当てて体を小さくまるくする。震えが激しい。どうにかなってしまいそうだ……！
更に数分ほど経過しただろうか？ 詳しい時間など分からない。自分からすれば数時間にも感じられたから。
突然。呼び鈴の時と同様に物音がたたなくなった。
いきなりの無音、何も聞こえない。耳鳴りがするほどに。
……今度こそ諦めたのか……？ それとも……鎖を断ち切る道具でも探しにいったのか……？！
……自分は恐怖のあまり、冷静な思考を保てなくなっていたのかもしれない。
扉が開かない……？ だから部屋に入ってこれない……？
侵入するのに、わざわざ扉から入る必要がどこにある――？
ベランダから……ゴソゴソという不気味な音が聞こえてきた……！
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