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こうして僕は、ヒロインちゃんに連れられてジュリオ王子の別荘へ。
しかし、
「ジュリオ様はお会いにならないと言っています」
「そうですか……分かりました」
現れた執事の人がそう言うのでヒロインちゃんは、すぐに引いた。
かに見えた。
「行くわよ」
「ど、何処にですか!」
「……ジュリオ王子の部屋の窓の前かしら」
どうやらそこに行って、お話をするらしい。
そう僕は解釈した。
だが、友人で僕の大好きなヒロインちゃんの性格を僕は、この時、見誤っていた。
それはジュリオ王子の部屋の前に僕達が来た時の事。
丁度部屋にいたジュリオ王子が僕達に気付いて、さっとカーテンを閉めた。
それに傷つきながらも僕は、
「あ、あの、ジュリオ王子、僕、話がしたくて」
「俺は話すことはない」
そう言って取り付く島もない。
どうしよう、そう思っているとヒロインちゃんがそこで、
「ジュリオ王子。手伝う代わりに、もしもまた“へたれ”たら、この私を巻き込んだことを後悔させるわよって言ったわよね?」
「……だからどうした」
「こうする」
そこでヒロインちゃんが、そばにあった大き目の植木鉢を持ち上げる。
僕は慌てて、
「ま、待って、ジュリオ王子が怪我をするかも!」
「知らないわ。散々ねちねちいやみを言われた私の気持ちになってみなさいよ! その分の仕返しはさせてもらうわ!」
僕はそう叫ぶヒロインちゃんを必死に抑えているとそこでカーテンが開いて、窓が開き、ジュリオ王子が顔を出した。
「俺の別荘が破壊されても困るからな。いいだろう、聞いてやる。手短にな」
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