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今日も暑くなるのかな――わずかに雲が残る空を見上げる。
「あ、幻日……」
見上げた東の空に、五色の光が煌いていた。
「生きてりゃ、きっと会える」――叶わぬ夢となってしまった。
過ぎてしまえば、あの日々こそが夢だったのではないかとすら思う時がある。でも、夢じゃないことは確かなのだ。
並んで幻日を見上げたあの日を思い出す。ぎゅっと握り返した、あの手の感覚も憶えている。
幸せになれたかと聞かれたら、難しい。
結局、鉄之助もハツも、上手く生き損ねたのかも知れない。
――それでもいい。自分の足で歩いたんだ。
「ね、空から見ていて。あたしも最後まで頑張るからさ」
幻日は、遠い夢のように、輝いて消えた。
◇完◇
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