銀世界に輝く二人

3/11
前へ
/34ページ
次へ
「ママも雪玉作って。その方が早く出来上がるよ」 「え~、ママも? いいよ」 「やった! じゃあ競争だね。どっちが大っきな雪玉作れるか」 「え? ロイのはそんなに大きいのに? でも負けないよ」 「おとなだからハンデだよ。とっても大きな雪玉作るからね」 ロイは意気揚々と雪玉を転がし始める。 トーナも負けじと雪をかき集めて雪玉を作り始めた。 「見て見てママ! こんなに大っきくなったよ」 ロイの雪玉は腰の高さまで膨れ上がり、軽い傾斜に差し掛かって更に大きさを増していた。 「ロイ、気をつけてね。そこは坂になっているから止まらなく……ああ!」 警告の矢先から雪玉はスピードを増し、速さについて行けず、ロイは転倒した。 トーナはロイの元にすぐさま駆けつけ、雪に埋もったロイを抱き上げた。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加