第1話 さらだマキはカッパの国の犯罪者

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無限に広がる宇宙。 私達の住む地球が所属する銀河系には文明が存在す る可能性がある星は約15個あると言われている。 その15個とは太陽から火星を含む地球周辺くらいの距離と気温を算出したものらしい (民明書...じゃなくて、ナショナルジオグラフイックより) 生物の可能性まで含めると数万星規模になるので話しを割愛しよう。 何故ならNASAが最近冥王星まで水の存在を示唆とか言い出したからだ。 さて、中学校を卒業直後にポンニャーからの誘いで宇宙へと飛んだマキだが、現在気絶の真っ最中である。 もちろん原因は酸欠だ。 宇宙船に乗ってる訳でもなく着の身着のままだから当然と言えば当然なのだが、ポンニャーが二人に被せている透明なサランラップみたいな膜で体温だけは維持出来ているようだった。 でないと(そのうち考える事をやめた生きた鉱物のカースのようになるからね) 「......キ......マキ~」 ポンニャーの呼ぶ声が聞こえる。 「ごめんナリ~。原住民は酸素が必要なのをすっかり忘れてたナリな~」 ポンニャーに猛烈抗議したいマキだが口がパクパクするだけで喋られない。 そうこうしてるうちに再び目の前が暗転して来た。 元々真っ暗なのだが、星々の点滅が始まったので間違いない様子。 「脳みその機能に酸素不要を追加するから待つナリな」 ポンニャーの持っている金球が光ったと同時にマキの目がすっきり見える様になった。 『ちょっと!私はどれだけ気絶してたのよ!』 「そう言われても地球じゃないから時間なんて無いナリな。マキは光の速さで進んでるから時間は止まっていると言えば止まってるし、動いてると言えば動いてるナリ」 もう何が何だか分からない説明だが本当にその通りなので始末が悪い。 するとポンニャーは手元の金球に向かって語り掛けた。 「伊達~マキが今何時か聞いてるナリよ~」 『伊達さんと喋れるの?!』 「伊達に金球レプリカを預けてるナリな。」 余談だが電波で会話した場合、太陽系圏外では質問してから返事が返るまで一番近い白鳥座でも四年かかる。 ポンニャーの金球は共鳴で振動する事で会話するのでタイムラグはゼロだ。
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