罪悪感はあれど、悪びれていない行動。

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   本日の仕事を終え、今日も洋樹と私のアパートに帰宅。 「重ッ。今日のダンボール、めっさ重いんだけど」  洋樹がアパートの宅配BOXを開け、実家から送られてきたダンボールを持ち上げた。  洋樹は、週に3、4日は私の部屋に泊まる。  私のアパートも洋樹のマンションも会社から徒歩圏内だから、どっちの部屋にお泊りしても良いのだが、私のアパートの冷蔵庫は、実家が送ってくれる食料のおかげでいつでも潤っている。なので洋樹はいつも、自分の部屋には呼ばず、私の部屋に来たがる。 「あぁ。多分中身、南瓜だよ。お母さんから『日花里の好きな南瓜がたくさん出来たので送ります』ってLINE来てたから」  洋樹に南瓜入りのダンボールを持ってもらったまま、部屋の鍵を開ける。 「俺、南瓜苦手ー」  洋樹が、持っていたダンボールを落としそうなほどに肩を落とした。 「知ってるよ。洋樹には別の野菜を食べさせてあげるって」 『南瓜が傷んじゃうから落としちゃダメだよ!!』と、玄関のドアを開きながら一緒にダンボールを運ぼうとすると、 「うん!! よろしくお願いします!!」  洋樹は『これくらい一人で持てるって。日花里は先に靴脱いで部屋に入って』と、私の手を退け、背中を押した。
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