【第一章】 たまひめ参上!

2/7
前へ
/77ページ
次へ
「切腹しろ」  黒髪パッツンの可愛らしい女子高生が包丁を投げつける。  包丁は男の髪をかすめて、飾り気の無い真っ白な壁へと突き刺さった。  見下す瞳は氷の様に冷たく、腰まである柔らかな髪が揺れる度に恐怖を感じる。 「おっ、おっ、お前が部屋に呼びつけたんだろ!?」 「わらわは呼んでおらぬ。着替え中に部屋へ忍び込もうとした罪で切腹じゃ」 「たっ、珠子に変われよ! 俺は珠子に呼ばれたんだ」 「ふむ……珠子は気絶してしもうた」  腰を抜かした男は、頭を抱えて大きなため息を吐いた。
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

73人が本棚に入れています
本棚に追加