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「やっと動ける様になったぜ……いくぞ、トシ!」
「ああ、輝!」
二人同時の攻撃は、さすがの才蔵も捌き切れずに少しずつ押され始めた。
「なめるなあああああ!!!」
才蔵は無理やり利彦へと拳をねじ込むが、逆に腕を抑えられて身動きが取れない。
「輝、今だ!」
「これで……終わりだ―――!」
渾身の力を込めた一撃が才蔵を捉え、勢いよくフェンスへと吹っ飛んで行く。そして、とうとう膝から崩れ落ちた。
「バッ、馬鹿な……」
「観念しな、才蔵。その魂を静める台座で眠って貰うぞ。お前の魂を浄化するまで永遠にな」
「フフッ……フハハハハハ! 敵の手に落ちるくらいなら、一か八かの賭けに出てやる! 見ろ、どちらの魂が消えるかを!」
「なっ、待て!」
止めようとするが間に合わず、才蔵は宝石の嵌め込まれたネックレスを首に掛けてしまう。
「さあ、どうなる!? ……ぐっ……な……魂が……魂が消え……グワァァァ―――!」
奇声を上げ、才蔵はその場に倒れ込んだ。
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