第一章 あの日の誓い

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温かい飲み物を貰いタオルも借りて頭を吹いて暖まっていた。 これが人生で初めて来た居酒屋。 周りには常連客や酔ったおじさんや愚痴を聞いている店員さん。 明寿 「あのー、ここってどういうお店なんですか?」 「まぁー居酒屋って言うかバーって言うのかバーに近い居酒屋みたいなもんだよ笑」 その言葉に俺は頷きコーヒを飲みながらその雰囲気と煙草の臭い、味わったことの無い感覚に黄昏ていた。 「てか所で兄さんあんな所で何してたのさ、それと何歳なの?」 明寿 「何してたって言われると長くなるけどとりあえず年齢は18だよ。」 と答えるとまさか同じ年だった。 それからと言うものその男の人は次から次に質問を沢山してきた。 それどころか俺も聞かれて言いたくはないが始めて味わったお酒と彼の喋り方に引き込まれいつの間にか饒舌になり熱く彼と語っていた。 明寿 「俺は親も家族も居なくてずっと施設や里親に引き取られたりしててそれで今日が三人目の里親で車に乗せられた時に喧嘩になり走って逃げて疲れて公園で休憩してた訳さ、それで雨が降ってきてあなたに助けられたって訳さ」 お酒に呑み込まれていき今日起こった出来事全てを話してしまっていた。 それに彼は聞くのが相当上手く喋ってるこっちも気持ちよくなる。 そのような感覚に陥ったのは初めての事でこんなに自分の事を打ち明けたのは菜乃花以外にいない。 「それで明寿これからどーするのさ。このまま逃げても何も解決なんてしないぞ。さっき明寿辞めたいとか言ってたけどちょっと俺心配だな。」 明寿 「俺さ、明寿に生まれて何一つ人生が上手くいかなくて、勉強もした事も無いしアンタみたいに頭も良くないし何も世の中を知らないんだよ。 しかも俺昔大変な罪を犯しちゃったからさ。 辞めたいんだよ。明寿という人間をだから生まれ変わりたいんだよ。」 「俺は深くは聞かないけど誰にだって人に言えないことはあるよ。俺にだってあるさ。明寿と言う人間を辞めたいのか、じゃあ辞めれば良くないか?」 俺は今まで聞いたこともない言葉に一気に酔いが覚め真剣な顔つきになりこう聞いた。
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