第一章 あの日の誓い

11/16
前へ
/67ページ
次へ
明寿 「辞めるって死ねってことか?」 「そうは言ってない。簡単な話だよ明寿。 生まれ変われよ新しく新しい生活に。」 彼の言うことは単純だが凄く説得力があった。 それにどこか彼にも深い闇が辛い過去があるという事は何となくだが分かった。 明寿 「生まれ変わるって?どうやって?」 「名前変えれば良いんだよ。新しい名前になればいいんだよ。」 明寿 「名前変えるって言っても簡単じゃないだろ?苗字変えるとか?そういう事?」 「じゃあ、一つ交換条件いい?明寿の昔犯した罪を教えて。そしたら俺も答える。そしたら名前の変え方を教えてあげるよ。」 と、彼は言ってきた。 見ず知らずの名前も聞いていない彼に俺の過去を喋っていいのだろうか。 だが彼はさっきとは顔つきが全く違く至って真剣な眼差しで俺を見てきた。 名前を変えたいとは言ったが交換条件であの事を喋るときっととんでもない事になる。 そう思ったが俺は心臓に手を当て明寿を捨てることを決意した。 心の底から変わりたいと思っていた。 そして俺は彼にこう言った。 明寿 「俺は昔、人を殺したことがある。殺したのは父さんと母さん。だけど俺はそれを他殺だと見せかけ今も捕まっていない。 それに観ずいているのはただ一人の警察と、知っているのは昔の小学高の頃の友達。そしてそいつに毎月お金を払い続けている。それで俺は家を出て施設に入れられ転校したり里親の所に行ったりしてる。 決して消えない罪を抱えている。俺は今まで生きた屍の様な暮らしをしてきた。熟睡出来たこともない。そんな奴だよ俺は。」 俺は等々自分の過去彼に打ち明けた。 彼はきっと警察に通報して俺を刑務所に入れるだろう。こんな事をした人間と話してるのが不思議だと思っていたが彼は変わらず真剣な眼差しで俺を見ていた。 そして彼は聞き終わったあと少し間を置いてからある事を喋り出した。 「明寿をそんなに苦しめたのは明寿の親2人だろ?俺は喋ってて明寿を犯罪者だと殺人犯だと全く思わなかった。そんな事をさせた親に責任があると俺は思う。そして俺は分かるよ。明寿は純粋な人間だって事を、一つ言っておく。 俺は皮肉にも明寿の逆で親二人を殺されたんだよ。それにその犯人はまだ捕まっていない。 明寿。俺は今思った、明寿お前に俺が人生の素晴らさを教えてあげるよ。」
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加