第一章 あの日の誓い

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窓からの日差しはカーテンで遮光されているため光を全く感じることも無く目が覚めた 時計を見ると時刻は18時22分。 煙草を咥え煙と共にため息を付いた。 今日は6月15日。 あれから凄い年月が過ぎた。 この4年間の間に生活や名前など色々変わったことがあるのだが全く変わらないことが二つある。 それは最悪な眠りと嫌な目覚めである。 重たい瞼を擦りながら出勤最後のコンビニのアルバイトの準備をする。 煙草の火を消し急いでシャワーに入る。 コンビニバイトには一つの利点がある。 何を隠そう毎日が廃棄があるからだ。 食費には一切お金がかかっていない。 シャワーから上がり準備をする為タンスへ向かった。 その時にタンスからある物が落ちてきた。 何か分からなかったので拾ってみた。 それはいつのかわからない証明写真と保険証だった。 その写真に写っていた自分は生きた屍のような面をしていて一切感情が伝わらない。 そんな過去の自分を見るとほど悲しさと孤独さに胸が張り裂けそうになってしまう。 ここで一つある事を思い出した。 「明寿?そうか。思い出した。」 明寿(あきひさ)これが俺の本名なのだ。 そんな自分を鼻で笑い家を後にし急いでコンビニへ向かった。 アルバイト先のコンビニへ着き制服を着替える準備をしていると 「ねぇ!最後の出勤なのに遅刻?何考えてるの航くん!」 可愛い先輩がそう呼んだ。 そう。「航」これが俺の今の名前だ。
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