第一章 あの日の誓い

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馬鹿みたいに働き最後の出勤が終わった。 菊地航、決してこの偽名が終わることはないが生まれた日からずっと感じていた違和感。 名前が変わるとそれも無くなりそれが普通となる。 人は働き金を貰い支払いをして食事をして生きていく。 動物は狩りをして仲間同士殺し合い日々生きていく。 決して俺も動物と変わらないかもしれないがこの生活には慣れることは無い。 最後の廃棄を貰い店長に挨拶をした。 航 「すいません。今までお世話になりました。」 店長の名前は北村さん。 体はガリガリで髪は長髪でちゃんとした食生活を送っているのか心配だが結構お世話になった人だ。 北村さん「いえいえ。航君も大変だとは思うけど人生はまだまだこれからだからね。困ったら陽の光しでも浴びながら深呼吸したらすっきりするよ! 何もかも忘れられるから!笑」 大人の綺麗事に聞こえるかもしれないがちゃんと心の中まで何かが届いた気がした。 北村さんには本当にお世話になった。 心から優しい人だった。 真っ暗な人生をちょっとは明るくしてくれた人だ。 辞めたくはないが辞めなくてはならない。 俺は俺のやるべき事をやらないといけない。 そしてコンビニを出て自衛官が敬礼をするようにお辞儀をして家に帰って行った。
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