福寿草

第一章 あの日の誓い

何も考えず見知らぬ土地で俺は無邪気な子供のように走り続けた。
お金も食べる物も何一つ無く無我夢中でただただその場所状況から逃避したくて逃げ続けていた。

あっという間に日も暮れて時刻は20時だった。
迎えに来た時間がちょうど19時半頃で30分近く経ちいずれ疲れ果て公園のベンチで横たわっていた。
雨も降りその時ふと思った。
雨宿りみたいな人生だと。
その時その瞬間と目先の事からは逃げて何人もの里親達と向き合わなかったのは俺の方だと。

その時は人生の儚さと虚しに無性に涙が流れた。
携帯のバッテリーも無くなり菜乃花に連絡取ることすらも出来なかった。

一人寂しくベンチでずぶ濡れになって泣いていた。

この時に明寿こいつの人生とお別れしたいと思っていた。
俺なんか生まれなきゃ良かった。
辞めたい明寿なんて。
と、思っている時だった。

「何してんのこんな所でお兄さんびしょ濡れだよ？
ほら傘かすから。」

明寿 「いや、大丈夫ですよ。平気なんで。」

「平気じゃないでしょ。全然。とりあえず俺の働いてる店おいでよ。俺そこの居酒屋で働いてるから。風邪ひくよ、ほら立って」

低身長の俺と同じくらいの年齢の男性が俺に親切にしてくれ居酒屋へと合意に連れていかれたのだ。