第八章 『私の好きな人』

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 放課後、雨が降っているため花壇の花に水やりは出来ず、私は教室の窓から弓道場を眺めていた。  テストも終わり、暫くすると日直も教室出て行き、室内にポツリ一人になる。  ズキズキ胸が痛くても、新君の顔は見れずに、こうして遠くから眺めることしかできない。  あぁ、何やってるんだろう。……取り返しはつかなくても、とても、後悔していた。 「あれ、ひじりちゃん。まだ残ってたの?」  薄暗い教室の中、暗い気持ちで窓外を眺めていると名前を呼ばれ、振り返ると袴姿の千葉君が立っている。 「あー、あったあった」  千葉君は自分の席まで行くと、お弁当の入っていたらしい小さなバッグを手に持つ。 「どうかした?」  私は顔や態度に出やすいのか、千葉君にまでも同じように尋ねられてしまう。 「……何もない」 「いや、絶対何かあったっしょ。新もここ最近ずっと似てる感じだもん」
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