第八章 『私の好きな人』

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 目が腫れぼったくなってしまったのか、泣いたことがバレバレで、恥ずかしく目だけでなく顔も赤くする。  「新君と話したいことがある……から、ちょっと時間作ってほしい」 「俺も、ひじりと話したいことがある」  背中を押してくれた千葉君と別れ、二人傘を差して校舎に向かって歩いて行く。  そして、中庭まで来た所立ち止まり、私は久しぶりに新君をちゃんと見上げた。 「別れたいって……言ってしまったけれど……まだ可能なら、撤回したい」  自分勝手なことを言ってるのは分かっている。でも、好きな新君を失いたくなかった。 「新君に振られるのが怖くて、言ってしまって……」  ちゃんと伝えなくちゃいけない。私の気持ちを、今、ちゃんと。 「私と……付き合ってほしいです」  言いながら、再び涙が伝い、顔がぐしゃぐしゃになっていく。  ──だが、私を見ていた新君は、予想外にも首を傾げた。
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