最終章 『二人で、見上げる』

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「……うん、花火大会楽しみだね」   当たり前のように手を繋いで、隣を歩く。この特別はやはり居心地が良く、幸せな気持ちに包まれる。  学校まで歩いて行くと、大会会場はすぐ。学校近くの土手が会場で、俺達が会場に着く頃には既に沢山の人で賑わっていた。 「はぐれないようにしないとね」  俺がギュッと手を握ると、ひじりも同じように手に力を入れる。  これからも一緒にいよう。もっと沢山の時間を、ひじりと過ごしたい。  目が合ったひじりの笑顔が可愛くて、俺も歯を見せて笑った。
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