プロローグ

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 空を見ると、晴れ間が少し見えてきた。  午前7時30分。  これなら仕事、出来そうだな。  俺、溝口 淳はそう判断し、仕事の準備を始めた。  仕事用の車の中を点検していると、自宅から親父が出てきて、俺に声をかけてきた。 「淳、準備は大丈夫か?」 「物は揃ってるよ。あとは天候次第。」 「雲の流れを見ると、今日はもう降らなそうだな。」  こんな時の親父の予想はだいたい当たる。説明は出来ないそうだが、分かるらしい。 「弁当、持ったか?」 「いや、今持ってくる。」  一旦自宅に戻り、母親から弁当を受け取る。 「いってらっしゃい。」 「おう。」  背中で返事をした。  こんな会話から、俺と親父の1日は始まる。
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