更紗

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結局のところ、うまくコントロールされていたのは身体だけではなくて、心も含め全部だったんだなと気付いたけれど。 「これにする?」 「……うん」 それよりも相応しい言葉があるとすれば、私が染まりやすい単純な女だったという事なのかもしれない。 「休み取れそう?」 「……うん」 さかりのついた雌のような朱も、更紗に変化すると心までおしとやかになるようで心地良い。 「新婚旅行みたい?」 「……ですね」 水面に広がる白を、私は必死で身体に纏う。
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