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けれど、私は安物の金魚。 すくいすくわれるのが本来の姿だろう。 「楽しかった」 身体中から涙が出るなんてあるんだと、初めて知り。 「元気でね」 水分と一緒に毒のような朱を抜き取られ、茉白に変化した自分ほど痛々しいものはないと感じてしまったのだから、仕方がない。 扉を開けよう。
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