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いつの間にか季節が変わっていたようで、扉の隙間からわずかにこぼれた空気が肌にささる。 ふうとため息を吐いてから歩みを進めると、振り返っても追っては来ないあいつの顔が浮かんだ。 振り払うようにして首を左右にしても、それは脳裏から離れてくれない。 それだけ、本気を知ったということだろう。 それだけ、苦しくもあり幸せでもあったということだろう。
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