猩々

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「また、出目金だった?」 私が飽きもせず男に失敗するのを楽しんでいるのは、何年前に出会ったのかも思い出せないほど腐れ縁の友人。 「ちがう。量産したら一気にバレた」 「バカだねぇ、お前…」 世間では、私のような恋愛に無器用な女を『金魚すくい系女子』と呼ぶらしい。 「数打ちゃ、当たる」 「はいはい」 で、こいつと重なって紛らわせるのはお約束だ。 「はやく、脱ぎな…」 「ああ…うん……」 友人であるが、わりと、色男だ。
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