理想の夫婦?

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理想の夫婦?

「私たち離婚しましょう」  そう俺に話しかけているのは妻の美樹子だ。  俺の名前は吉野智久(よしのともひさ)。今年で28歳になる。  妻は4個上の姉さん女房で、典型的なかかあ天下。  しかし今はこんなでも、結婚当初は周りから『理想の夫婦』と言われていた。 「あなたと一緒にいても、何も良いことがないわ。 私の方が稼げるし、家事もやってる。 あなたより稼げる人は山ほどいるし、何で私ばかり苦労しなくちゃいけないの? もっと素敵な人と結婚したい。 あなたは居候ですか?」  妻が怒り出すと必ず口にする言葉。  確かに年収は俺より多く貰ってくる。俺が400万だとしたら、妻はその2倍だ。  男として立場がないのは正直感じる。  妻は俺の事を小バカにし、男をたてるということを一切しない。  お前ばかりが我慢してると思ったら大間違いだ。俺だって色々我慢してるんだ。  実際、俺もそろそろ限界を感じていた。
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