Chapter 19

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「半日くらいです。何です?」 会話をしながら、ヒカルがパタパタと手を動かすので、武智は首を傾げた。途端に、ヒカルがムッとしたような顔をする。そんな顔をされても、何が言いたいのか分からない。 「―――起きたい。手伝って。」 ヒカルがむすっとして言う。いや、分かれという方が可笑しいと思うのだが。 そう思ったが、余計な事は言わずに、武智は手を貸した。 「そういえば、喜原社長に連絡は?何か言ってた?」 「今日は無理らしいですが、明日は来るそうです。」 「いや、来なくていいって言っておいて。」 あっけらかんと言われて、武智は戸惑う。会いたいものではないのか。 「―――いいんですか?」 「あの人、大忙しでしょ。弟が捕まったんだから。」 「そうでしょうけど。」 「代わりに、村上さんがついててくれたし。」 ふふ―――と、ヒカルが愉しげに笑う。ヒカルにとっては他愛ない言葉遊びでも、武智の胸はバカ正直に締め付けられる。 叶わぬ想いだと突き付けられたようで、堪らない気分だ。 「ヒカルさん、なぜ―――、」 武智の絞るような声に、ヒカルはキョトンと顔を上げた。
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