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3
手に馴染む肌に、程よく鍛えられた体。
白い滑らかな背中に、動く度に浮き出る骨。
テノールの掠れた声に、全身から立ち上る甘いような香り。
ヒカルの全てに煽られ、夢中になった。
「あなた、凄い、ですね、」
「なにっ、が、ぁあ、ぅん、ぁ、もっ、と、」
武智が激しかった腰の動きを緩めると、ヒカルが不満そうに首を振る。
毒のようなこの人を支配している気分になる。
「もっと、なに?ヒカルさん。」
分かっていながら焦らすように武智が言うと、ヒカルが美しい曲線を見せながら腰をくねらせる。
「おく、ついてっ、ぅん、あっ!そこっ、ああっ―――、」
中のひときわ感じるを武智の雄で突いてやると、ヒカルが高い声を上げて背を仰け反らせた。達したのだろう。
そのまま構わずに武智が腰を打ち付けると、ヒカルが荒い息だけで喘ぐ。
まるで溺れているようだ。
イク―――と、頭で思った時に、ヒカルの中が再び痙攣したように動き、武智は我慢もできずに叩きつけながら達した。
「―――はぁ、」
武智は深く息を吐きながら、ぐったりと力の抜けたヒカルの体を支える。少し頭が冷えて、出しっぱなしのシャワーの音が急に大きく聞こえるようになった。
社長の愛人に手を出してしまったなぁ―――と、やはり少しは後悔に似た気持ちもある。
いや、手を出したからには利用しなければ。
「ヒカルさん、大丈夫ですか?」
ピクリとも動かないヒカルに、わざとらしいほど優しく声をかけた。
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